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検証報告で益々異様さに拍車がかかる神戸アニメストリート問題、岸建介代表を庇う闇の力は解明されるのか?

5月17日の神戸市定例会見で久元喜造市長が言及した神戸アニメストリート事業の検証結果が6月19日の市議会都市防災委員会で発表されました。

  1. 「検証結果」でも神戸市は被害者の救済に寄り添う姿勢が微塵もありません、むしろ内情を知る市職員などの責任者を庇うことで岸代表を助けています
  2. 岸代表は株式会社を倒産させてバックレる可能性が少なくありません
  3. 神戸市は前科も未払いも知りながら岸代表にあらゆる便宜を図ってきました、彼を支える力の解明をしないと被害者への完済、ハラスメント被害の救済もおぼつかないかもしれません

速報
集会の模様が6/27(火)28(水)に読売テレビで放送!

盛況の内に終わった「アニスト問題など新長田再開発の問題を考える会」の模様が、6月27日28日水曜日16時47分からの読売テレビ「かんさい情報ネットten」で放送されます。関西の方は是非お知り合いの方に放送のことお伝えください

また集会の全編は YouTube でご覧いただけます。ぜひ予習も兼ねてご覧ください。(6/27 読売テレビ放送日修正)

検証結果ではいずれの責任にも触れず

検証結果では、選定委員会、提案事業者として株式会社アップ・ツー・コーポレーション、運営事業者として株式会社神戸アニメストリートが登場します。そのいずれの責任にも触れず、岸建介代表をテナントリーシングしてしまった瑕疵から、神戸市・選定委員会・アップ・ツー・コーポレーションを庇うだけのものとなっています。

また、神戸アニメストリート内の独立店舗の一定の成果については一切触れていない点からも、拙速で浅はかな印象を拭えません。

まとめ「平成 26 年度アスタくにづか地区商業活性化モデル事業」の検証について
検証項目 自画自賛 自己批判
テーマ設定 にぎわいづくりに一定の効果はあり妥当であった 専門性の高い店舗構成のため継続したにぎわいにつながらなかった
事業スキーム 妥当であった
選定 アップ・ツー・コーポレーション 住宅都市局職員、産業振興局商業担当、兵庫県、地元の商業者等も委員となった選定委員会で選定した
株式会社神戸アニメストリート 審査を行う仕様になっていない点は改善の余地がある
契約内容 アップ・ツー・コーポレーション 事業委託費を完成検査実施の上支払っている 4点について改善の余地がある
  • アップ・ツー・コーポレーションに対する事業継続性の担保
  • アップ・ツー・コーポレーションと株式会社神戸アニメストリートとの役割分担等
  • 募集要項
  • 契約内容
株式会社神戸アニメストリート 目的に沿って支出し使用されていることを確認している

岸建介氏への審査は誰が実施したのか?責任の所在は?

さて、一体どなたが岸代表の助成金受給を阻止する立場だったのか?審査しうる立場にあった以下の3者について、それぞれ詳しく見ていきます。

1. 選定委員会
岸代表を審査する仕様になっていなかった
2. アップ・ツー・コーポレーション
(テナントリーシングに際して審査をし)神戸市による完成検査実施を経て業務は完了している
3. 管理会社「まち社」と「くにづか」
契約にあたって岸代表への審査を行っているはず

選定委員会

住宅都市局職員・産業振興局商業担当・兵庫県・地元の商業者等からなる選定委員会はアップ・ツー・コーポレーションの審査は行っている、としています。一方で岸建介氏の審査を行う仕様になっていなかった、として責任を免れています。

実際のところ岸建介氏は神戸アニメストリートのオープン以前から神戸市のイベントを受託し新長田では顔の知れた存在でした。選定委員の中にはおねぇちゃんとお酒の飲めるお店でダークな武勇伝を聴くくらい親しかった方もいたかもしれません。そういう点で今回に限って審査は不要ですし、問答無用で却下すべき人物でした。

神戸アニストのオープン前夜の岸建介氏、クールジャパン・ブームに乗って

新長田を舞台とした「KOBEぽっぷカルチャーフェスティバル」(2012~2015)に岸代表は第2回からプロデューサーとして参加しています。ぽぷカルフェスは回を重ねるごとに来場者数を更新する概ね成功している事業で、神戸アニメストリートはこのぽぷカルフェスの常態化を意図したもの、という答弁も残っています。

志水企画調整局デザイン都市推進部長
アニメストリートなんですけれども,これは昨年3月にオープンをしまして,この目的がぽっぷカルチャー事業の継続的な事業展開によりまして,さらなる発信・定着を図ることで,アスタくにづか周辺地域の活性化を目指すものであるということでございます。

神戸アニストのオープン前夜にクールジャパン・ブームに乗って行政に浸透していく岸代表の足取りは、土居豊氏のブログ記事「神戸アニメストリート閉鎖報道に関して、補足、分析、提言などを少々」で垣間見ることができます。土居氏は「アニメフェアKANSAI」(2012年8月8日~9日)に出演しギャラの不払いに遭い神戸市に相談しています。

岸代表の絡むイベントではしばしば未払い・遅延が発生し神戸市にも相談が寄せられていたのでした。

アップ・ツー・コーポレーション

アップ・ツー・コーポレーションに対しては「27年3月末までの委託期間において、(略) 事業委託費は完成検査実施の上支払っている」としていて神戸市は担保責任の追及は行わないようです。

アップ・ツー・コーポレーションの岡島祐輔社長は昼間たかし氏の取材に対して「開業を以って当社の業務は完了」とだけ後日に FAX で回答していて検証結果と綺麗に足並みが揃っています。

そもそもアップ・ツー・コーポレーションがモデル事業者に決定したのは2014年11月7日のこと。ここから遡って2014年夏に岸氏と渋谷かおりさんは阿佐ヶ谷アニメストリートを訪ねて神戸アニメストリートへの協力を要請しています。アップ・ツー・コーポレーションは神戸アニメストリート事業が内々に決まった後からやって来て名前を貸しただけなのでしょう。

提案事業者アップ・ツー・コーポレーションが岸建介氏を紹介するまでの流れ
時期 出来事
2014年夏 岸氏と渋谷かおりさんは阿佐ヶ谷アニメストリートへ
神戸アニメストリートへの協力を打診
2014年9月26日~10月1日 モデル事業者(提案事業者)募集
「NPO法人KOBE鉄人プロジェクト」と「アップ・ツー・コーポレーション」が合同で応募
2014年11月7日 モデル事業者(提案事業者)決定
1社のみ応募でアップ・ツー・コーポレーションに決定
2014年11月16日 KOBEぽぷカルストリート~いまいち萌えない学園祭~」(ボイス神戸・岸建介代表)を開催
「7. 今後のスケジュール > (1) イベント実施(運営内容検証)平成26年11月~12月」に対応
2015年1月 選定委員会のこと?
「7. 今後のスケジュール > (2) 地元説明 2015年1月」に対応
2015年1月22日 株式会社神戸アニメストリート設立
設立日はホームページに記載がなかったがツイートの登記簿画像より
2015年2月 「新長田まちづくり株式会社」と賃貸借契約、内装工事の開始
アップ・ツー・コーポレーションは岸建介氏を新長田まちづくり株式会社に紹介
「7. 今後のスケジュール > (3) 内装工事及び共用部分演出物工事開始 平成27年2月~3月」に対応
2015年3月29日 神戸アニメストリートのオープンイベント
「7. 今後のスケジュール > (4) オープニングイベント 2015年年3月中旬~下旬」
2015年4月1日 「株式会社くにづか」が賃貸借契約の引継ぎ
「7. 今後のスケジュール > (5) テナント運営開始 2015年4月」に対応

そうそう、モデル事業者募集にアップ・ツー・コーポレーションと合同で応募されていた「NPO法人KOBE鉄人プロジェクト」の岡田誠司事務局長、最近お調子はいかがですか?

残る審査の主体、管理会社「まち社」と「くにづか」

最後の審査の主体は、管理会社である「新長田まちづくり株式会社」及び「株式会社くにづか」です。管理会社はいわゆる「事業スキーム」とは一切関係なく、必ず審査を行うべき立場です。

出来レースとも指摘される拙速な神戸アニメストリートのオープン迄のスケジュール。管理会社の審査だけに頼ることでプロセスを大胆に簡略化・高速化しているのだとしたら、その先進性にビックリポンです。

管理会社による株式会社神戸アニメストリートの審査
新長田まちづくり株式会社 株式会社くにづか
審査の上で 賃貸借契約の締結 賃貸借契約の引継ぎ
審査時期 2015年2月 2015年4月1日
審査の必要書類 出店募集要項 >「随時募集」出店の申し込み方法 > 2.必要書類 新長田駅南再開発ビル随時募集出店募集要項・店舗区画一覧 > 「随時募集」出店の申し込み方法 > 2.必要書類
平成26年度 アスタくにづか地区商業活性化モデル事業」の検証について より
岸代表を審査し賃貸借契約を結んだ「まち社」が登場しない辺りに歴史修正主義感がある…両管理会社の力関係がほの見える

さて、検証報告によると管理費助成開始が2015年2月、この時点で審査・契約をする主体は「新長田まちづくり株式会社」です。 続いて2015年4月1日から「株式会社くにづか」が管理業務を引き継いでいます。

両管理会社は契約の締結・引き継ぎにあたってそれぞれ審査を行い株式会社神戸アニメストリートの営業を認めました。この結果として神戸市施政の恥部を全国に晒し、アスタくにづかの商業活性化の歩みを遅滞させ、復興災害の継続と拡大に寄与してしまいました。

神戸市・審査委員会・アップツーコーポレーションが早くもバックレたこの上は、両管理会社だけがその責任を重く受け止めて速やかな解決に努めなくてはいけません。間違っても今年10月に控える神戸市長選挙の政争の愚になどさせないように、しっかり命懸けでケツ拭かなくてはならないのです!

と偉い方の心の声を代弁してみました。実にご苦労なことですわ…

民民と言いながら神戸アニメストリートに口出ししていた神戸市

定例会見の久元市長は港島のドン安田や岸代表を庇うのにおお忙し

さて、久元市長は「補助金が入っているからという理由で(民間企業間の係争等に)神戸市が介在しなければいけないとは思わない」としています。しかし議事録によると神戸市は株式会社神戸アニメストリートへのヒアリング等を行っていて、継続的に経営に関わっていこうという姿勢が見て取れます。これは神戸市(選定委員会)の責任を一切不問にした検証結果との整合性にも苦しいものがあるのではないでしょうか?

谷口住宅都市局市街地整備部長
この3月からアニメストリートが,県の復興基金を適用しまして第1弾ということでオープンをしております。オープン後,ずっと経過を見ておるんですけれども,来街者数は割とふえてきていると。売上等を見ましても,大体想定の売上は出てきているということです。

(略)じつは経営計画についても少し我々のほうも見せていただいて,われわれのほうで意見言えるところについては意見を言わせていただいて,しっかりと経営基盤を整えていただきたいというところを働きかけております。

また、神戸市からゲームセンターの出店について新長田まちづくり株式会社への要請を示す質疑もあります。神戸アニメストリートに留まらず神戸市がアスタくにづかの店子について口出ししていくことは通例であったことが分かります。

谷口住宅都市局市街地整備部長
イースト2階のデジャヴというゲーム屋さんですけれども,これについては,当初,リーシングをまちづくり会社がされたときに,我々も地域に迷惑がかからないようにまず注意してほしいと。特に学校関係ですね。学校関係には事前にちゃんと情報を入れるようにということで学校のほうにも話をしたということでございました

ちなみに先に出た「デジャヴ 新長田店」も2015年3月以降は神戸アニメストリートの独立店舗としてポスター等で紹介されていました。


2012年には岸代表に関するクレームは神戸市に入っていました。これらをものともせず突き進み続けた岸建介代表。神戸市はことここに至っても被害者の救済に関知しないことを明言し、内幕を知る関係者の責任追及を回避することで岸代表をも幇助しています。

岸代表が神戸アニメストリートというハコを持つに至った力は依然として岸代表を庇護しています。この力の解明を経ずして被害者への速やかな完済は叶わないのではないでしょうか?