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神戸アニメストリート内の独立店舗のイマ、現地取材で見えてきたアップ・ツー・コーポレーションの関与は!?

ある日の取材帰りのあたし

取引企業(と従業員)への一連の未払いについて、神戸アニメストリートのオープンから2年間は全く収益が上がらなかったとする岸代表。しかしそもそもアスタくにづか地区の集客増(商業活性化)のため、神戸市に『神戸ポップカルチャーストリート企画』を提案したのは株式会社アップ・ツー・コーポレーションの岡嶋祐輔社長です。(この事業企画に沿って神戸市に岸代表を紹介したのもアップ・ツー・コーポレーションです)

報道では岸代表自身がその責任の一切を負うとも取れる発言をしています。そんな岸代表の主張に違和感を覚えた筆者はアップ・ツー・コーポレーションにフォーカスして取材を行うことにしました。

ちなみに神戸市議会の議事録によると、アップ・ツー・コーポレーションはこれ以前にも新長田へダイエーを誘致しているようです。

17番(大石よしのり君)
たまたま東京となってますけども,実際にその社長は新長田に大型商業施設を誘致された方ですよね。背景にあるのは,巨大モニュメントのプロジェクトだとお聞きしております。それも,当局の方にお聞きをしております。

企画提案者の中に、アップトゥーなる新長田のダイエー誘致に関わった方の会社もおられた為、1社提案なるも「受けるか、受けないか」を含め、地元の商業者の方々とも相談して決まった。

そういえばアップ・ツー・コーポレーションの塩谷眞博会長、岡島祐輔社長とも元ダイエーの店舗開発部門というご経歴でした。

速報
集会の模様が6/27(火)28(水)に読売テレビで放送!

盛況の内に終わった「アニスト問題など新長田再開発の問題を考える会」の模様が、6月27日28日水曜日16時47分からの読売テレビ「かんさい情報ネットten」で放送されます。関西の方は是非お知り合いの方に放送のことお伝えください

また集会の全編は YouTube でご覧いただけます。ぜひ予習も兼ねてご覧ください。(6/23 追記、6/27 読売テレビ放送日修正)

今週土曜日は新長田駅前ピフレホールで集会開催!

本題に入る前に、いよいよ今週土曜日(6月10日18:30から)は株式会社神戸アニメストリート未払い問題、そして問題の土壌である新長田南地区再開発の闇に迫る集会が開催されます。

イベント開催支援ツール ATND で参加表明をしていただくと一群のお灸を据えなくてはいけない方達へ、あなたのお気持ちを届けることができます!ぜひ振るって参加表明ください。

ATND は Twitter, Google, Facebook, Github, Mixi, Yahoo!JAPAN, livedoor, Flicker, はてな, OpenID の各アカウントで簡単にご利用できます。

インターネット経由の参加希望者数の概算が必要のため、本ページで参加表明頂けると助かります。配布資料印刷の際の参考にさせていただきます。

関係者・被害者の方などでこっそり入場されたい方は、もちろん参加表明無しで来てくださって大丈夫!これ以外の方はドシドシ参加表明いただければお灸を据えなくてはいけない方達へお気持ちが届くことと思います。

アップ・ツー・コーポレーションの事業計画を追う

ホームページによるとアップ・ツー・コーポレーションは「企画立案」「事業計画」「テナントリーシング」「内装監理」を行なっています。また神戸市のホームページには委託業務内容として「基本プラン構築・基本設計」「実施プラン及び実施計画の作成」「イベントの実施」「テナントリーシング」「ゾーン展開に伴う工事の実施」「広報活動」「資料の作成」とあります。

神戸アニメストリートはオープン当初からの火の車、それも未払いを立て続けに引き起こす程の低迷ぶりです。この低迷にアップ・ツー・コーポレーションの行ったという事業計画はどの様に関係しているのでしょうか?

神戸アニメストリート内の「独立店舗」である痛車専門店「ita-produce bonds」、模型制作スペース「ビルダーズベース iiba」に取材を行いました。またこの2店舗以外を株式会社神戸アニメストリートの「直営店鋪」と分類します。

独立店舗と直営店舗

この分類と命名は記事化の際の必要から筆者が行いました。そもそも神戸アニメストリートへの出店に際しては、2つの独立店舗とも文書等を交わしていない口約束だったそうです。このため正式な契約書類上の単語として株式会社神戸アニメストリートと両店舗の関係を示すものがありませんでした。

神戸アニストと株式会社神戸アニストの違いに注意!

ところで神戸アニメストリートという場合、独立店舗である「bonds」「iiba」もこれに含まれます。一方で数々の未払い問題を起こし厳しい批判に晒されているのは、岸建介氏が代表取締役を務める株式会社 神戸アニメストリートです。

読者諸賢はこの2つを混同していたずらな風評を起こさないように留意ください。また本記事の執筆にはこの事情を明確にする意図もあったこと付け加えておきます。

用語解説

ここまでの用語を整理します。

アスタくにづか
アスタくにづかは神戸市長田区にある、住商一体型の再開発地区。神戸市震災復興再開発事業「アスタ新長田」のビル群のうち、国道2号以南のビル群を指す。1番館から6番館まである。Wikipedia より。
神戸アニメストリート
アスタくにづか3番館の2階フロアを中心とする一帯につけられた呼称。またはアップ・ツー・コーポレーションによる事業計画『神戸ポップカルチャーストリート企画』を起点として出店した店舗群とこれを結ぶ通路のこと。
株式会社 神戸アニメストリート
アスタくにづか3番館に事務所を構える。代表取締役は岸建介氏。神戸アニメストリートの中心的企業で複数の直営店舗を経営する。
神戸アニメストリート内の独立店舗
「bonds」「iiba」のこと。またゲームセンター「デジャヴ 神戸長田店」も独立店舗だったが既に閉店している。

神戸アニメストリートを構成する各店舗

運営会社 店舗名 分類
株式会社神戸アニメストリート アニソンDJカフェ「SIDE28」 直営店舗
レンタルショーケース「ボックスエリア」 直営店舗
オタク×クールをコンセプトにした提案型ショップ「オタリウム」 直営店舗
プロ並の機材を揃えるネット配信スタジオ「スタジオ"OO"」(ダブルオー) 直営店舗
Botch VR
2017年4月1日~
直営店舗
神戸アニメストリートショップ
2015.11.1~
直営店舗・ネットショップ
GAINAX WEST
2016.3.29~
ガイナックスショップ神戸
2016.4.29~
5月1日付の岸氏の取締役辞任以降はとくに)不明
痛車施工専門店「ita-produce bonds」 独立店舗
模型制作スペース「ビルダーズベース iiba」 独立店舗

現在閉店している直営店舗と常設イベントは次の通り。

独立店舗には株式会社 KEREN が運営する「デジャヴ 神戸長田店」もありました。神戸アニメストリートのオープン前の2014年12月下旬に開店し、2015年7月29日の KEREN の自己破産によって閉店しています。

独立店舗への取材

アップ・ツー・コーポレーションとの接点について

bonds 店主 「無いです。岸代表以外とは会ったことも無い、神戸市の担当者もアップ・ツー・コーポレーションも見たことも聴いたこともない。報道で名前を聞いた。僕らは岸代表がやると思っていたのでそんな話があるのは全然知らなかった」

iiba 店主 「アップ・ツー・コーポレーションの話は全然知らないです」

内装工事・内装監理について

bonds 店主 「ある程度のものは揃えて貰った、やっていく上でどうしても自分で買い足していく部分はある」

iiba 店主 「岸代表からは“体一つで来てくれていい”と言われていたが。Twitter に連続で投稿されていた姫や猫之嬢の話はだいたい事実です。この内装工事にOKを出していたのは岸代表に見えました」

独立店舗の経営について

bonds 店主 「岸代表からは年数掛けてお客さんを得て独自にやって下さい、ということでした。助言とかは無いとは言えないが、経営に口出しされているわけではありません」

ゅい「コスプレ店の経営は?」

bonds 店主「神戸アニストの中です。iiba さんと bonds だけが別です」

独立店舗の今後

ゅい「岸代表は場所が悪いという話をしていたが?」

bonds 店主 「お客様とは長い期間お付き合いして施工をさせていただいている、黒字で安泰という訳ではないですけど、オープン当初からお客様は増えています、今のところはなんとか頑張っています」

bonds は6月末の株式会社神戸アニメストリート撤退後も営業を続ける、とのことでした。


iiba 店主 「なんとか iiba をするからね、とお客さんには言うてるけどそれが現実のものになるかどうか、怪しいなぁ。

もうこれ以上動かしようがないくらいに日々フォーメーションを変えて置き場を変えて、これで良しだいぶ回るようになって来たなぁ、お客さんもそれに馴染んで勝手知ったる iiba になって来たのにこういうことになってしまって残念…」

iiba 店主は家賃の値上げの連絡を受けていて事業継続の道を探っている最中です。

取材を終えて

意外なことに各独立店舗とアップ・ツー・コーポレーションには一切の接点がない、ということでした。アップ・ツー・コーポレーションが行ったはずの内装監理もまるで岸代表が主体だったと思える回答が得られました。

アップ・ツー・コーポレーションによる「事業計画」は未払い問題に至る経営不振にどのように関与するのか、或いはしないのか?解明には事業計画の全容を知るアップ・ツー・コーポレーション、神戸市、岸建介代表への取材が必要な事がはっきりしました。